蟹取県のカニダー【第7話:始動、蟹取県。】

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(写真:鳥取砂丘に向かう観光リフト)

 

 

岩美・西脇海岸。がっくり膝をつく鳥取グルメ怪人アゴ・アントニオ。

カニダー「アゴすくい体験後の新鮮な刺身は格別!
だがしかし!県の頭はカニが取る!
さあ、行きましょう!みや子さん!

赤いオープンカーで走り去る、カニダーと食乃みや子。

カニダーが連勝を続けているその一方で、

カニ取団のグルメ潜伏調査も着々と進められていた。

鳥取砂丘。馬の背をバックに写真を撮るカップル。

居合わせたトレンチ・コートの男がシャッターを押す。

トレンチ・コートの男「よかったら、鳥取のお店を紹介しますよ。」

カップル「え、いいんですか!よかった、お店知らないんで助かります!」

砂丘を後にする3人を、怪しい目つきで一人の男が目で追う。
ゆっくりターンし向きなおると男の化けの皮が剥がれる。
カニ取団・五輝星だ。

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正体を現した後もじっと3人が向かった方向を眺めている。

民芸の味わい漂う割烹料理店で日本酒を酌み交わす3人。

そこに割烹屋の女将が登場し、砂丘らっきょうの酢漬けを差し出す。

カップル「いただきま〜す!」
「ウマ!いや〜いいお店に案内してくれてありがとうございます!」

トレンチ・コートの男「・・・・・・・」

カップル「あれ、急にどうしたんですか?」
「具合でも悪いんですか?」

トレンチ・コートの男「・・・・・・・ふっふっふっふっふっ」

戸惑うカップル。
突然男は二人の前で立ち上がる。
そして勢いよくトレンチコートを脱いだ!

「ハハハハハハ!我輩はサキュウ・ラッキョ王!
鳥取を代表する、いや、頂点に立つグルメ怪人だ!」

カップル「キャ〜〜〜〜〜〜〜!!!」

料亭から走り去るカップル。

一部始終を柱の影で見つめていた割烹屋の女将。
よく見るとインカムで誰かと話をしている。

話し終わった割烹屋の女将、
サキュウ・ラッキョ王の目線を気にしながらそっとその場を離れる。

そして右手を胸の前まで持ち上げる。

右手はみるみるカニ爪に変わっていった。

公園のベンチ、割烹屋の女将とワギュウダー、二人並んで座っている。

ワギュウダーはそっと封筒を渡すと無言で去っていった。

残った団員。手元にはサキュウ・ラッキョ王の写真。
そこに先ほど受け取った封筒から写真を取り出して重ねる。
重ねられた新たな鳥取グルメ怪人の写真は、
椎茸の姿をし、巨大な馬に跨っていた。

鳥取砂丘の馬の背の上にカニダーと4人のカニ取団員。
そこに遅れて1人加わる。割烹屋の女将になりすましていた団員だ。

遅れて来たその団員が差し出した2枚の写真を受け取るカニダー、
握った手に力がこもる。

カニダー「ラッキョ王、タケ王…」

写真から目をそらし海を見る。

馬の背をくだり、6人の赤い男達は、砂を強く踏みしめて歩き出す。


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